ねこのひたい~絵日記室<ネタバレなしの映画評?>

 ~ネタバレなしでも、読めばガッカリ~

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【男優】

読み:だん-ゆう

類語:アクター(actor)

反語;女優

用例:「アクション系─」「オカマ役でアカデミー助演─賞ノミネート(ジョン・リスゴーの名刺より)」

googleで「女優」を検索すると、約297万件のという結果がでます(2005年11月時点)。

「男優」で検索してみると約206万件で、「女優」のほうが1.5倍も多いことがわかります。
さらに、男優をactor、女優をactressにして検索してみると、actorの6290万に対し、actressは3130万と、その件数が逆転します。

このことから、日本では、英語圏に比べて、男優よりも女優に注目が集まる、なんて結論付けてはいけません。それは「俳優」を検索するとよくわかります。

        google     Yahoo!    
 女優    2,970,000   34,800,000
 男優    2,060,000    4,650,000
 俳優    3,140,000   26,500,000

 actress  31,300,000   80,200,000
 actor   62,900,000   139,000,000

もしかしたら、ご覧になってるブラウザのフォントによっては、見づらいかもしれませんが、そんなことはおかまいなしにそれぞれの検索結果を並べてみました。当ブログでは、いろんな意味でなにかとお世話になったり世話を焼かせてもらったりしている日本語版Yahoo!の結果も併記しておきましたからね。

英語のactorが意味するのは男優はもちろん、メソッド演技で有名な「アクターズ・ストゥディオ」のように男女を問わない俳優の意味もありますが、日本語の「俳優」という言葉が持つニュアンスほど強くはありません。
それに関連するこんなエピソードがあります。

「アンアン」という女性向ファッション誌というか芸能誌のようなもので、時折もよおされては新聞やマスコミを賑わす定番ネタのひとつに読者アンケートがあります。
そのアンケートで「あなたが共演してみたい男優は?」の上位が、加藤鷹やチョコポール向井らで占められて、慌てた編集部が翌号で「あなたが共演してみたい俳優は?」に差し替えた、という小学生でも知っている事件がありました。

つまり、日本では男優を示すコトバとしては「男優」よりも「俳優」のほうが一般的である、ということです。
そこには、日本語と日本が持ってる男尊女卑の歴史が深く関わっている、のかどうか知りませんが、映画に関していえば女優が片隅に追いやられていた歴史は確実にあります。

日本の女優第一号は花柳はるみさんです。彼女が出演した「生の輝き」の封切は1919年でした。元号表記でいえば大正7年です。
が、日本で映画が初めて撮影されたのは明治30年、ってわかりにくいでしょ。西暦に直すと1897年で、そして、日本において男優第一号とされる横山運平さんが銀幕に登場したのはその翌々年の1899年。なんと、日本では少なくとも20年間は女優が出ないまま映画が作られ続けていたわけです。
女だらけの水泳大会なら万障繰り上げても見てみたいと思わせる何かがあります。しかし、男だらけはちょっと・・・スネ毛がちょっと・・・と、ウォルター・ヒル作品みたいにむさくるしい映画を思い浮かべがちですが、そうではないんです。
ちゃんと女性の役もありました。ただし、それを男性が演じていたんです。

女形、あるいは「おやま」と呼ばれるものです。あくまで職業的に女性を演じるわけで、決して女装趣味とか、性同一性障害とか、ゲイとか、オカマとかではありません。そりゃもちろん、そういう趣味の方だっていたと思いますが、その辺りはそういうことに興味があったり、そういう趣味をお持ちのあなたが調べてください。調べた結果に関しては、報告不要です。
なぜ、そんなまわりくどいことになったのかと言うと、当時の大衆娯楽のひとつ歌舞伎の慣例からです。

ご存知のように歌舞伎というのは、役者は全て男性です。
もともとの歌舞伎は、江戸時代初期に「風紀を乱す」という理由で禁じられるまでは、全て女性が演じていたらしいです。そうした外的要因をまるで伝統であるかのように受け継ぐあたりになんだかなぁと思わなくもないんですけど、それをそのまま引き継いでいたことを不審に思うまで20年もかかった映画もなんだかなぁ。
てなわけで、映画における「俳優」は、そこに女性というニュアンスを持たなかった期間が映画史全体の20%もあったんです。

男性が女性を演じる、ということは、まずは外見上の再現が求められるわけです。しかもそれは、男というフィルターを通して見た女性の再現なので、男にとって見ていて気持ちのいい外見ばかりの再現になるのは仕方のないことです。
そしてそれは、女性が女性を演じている現代にも当てはまります。スティーブ・ブシェミが映画に出られるのは、彼が女優ではないからです。

また、断り書きをしないと女優だと気付かれないことを恐れるかのように『女優ナナ』だの『女優フランシス』だの「女優」と付けた作品は存在するのに、「男優」はおろか「俳優」とさえも冠せられた作品はありません。
それらしいのは「役者」ですが、そこに漂うニュアンスも、実際にそれが付けられた『三文役者』や『嗚呼!!花の応援団 役者やのォー』といった作品からも、やはり男性を示すコトバであることがわかります。

つまり、周回遅れで飛び出した女優は、現在に至ってもその置かれた立場は男優に比べて圧倒的に不利なわけです。

そんなことを嘆いてばかりいてもしかたないので、その状況を打開するべく、テレビに媚びずスキャンダルをも食い物にしてのし上がり、その名前だけで観客動員記録更新し続けるような立派な女優になってみようかと思い、血の汗流して邁進する覚悟です。
ひと握りだろうとふた握りだろうと関係なく皆さん応援よろしくお願いします。


だけど、涙が出ちゃう、男の子だもん。


  ──────────────────────

最後に、別の検索結果をお見せします。

        google    Yahoo! 
 俳優    3,140,000  26,500,000
 女性俳優  4,400,000    23,900
 男性俳優  2,040,000    99,100

この結果を見ると、googleもかなり世話の焼ける検索サイトだということがわかります。だって、「俳優」より「女性俳優」の結果が上回ってるんですよ。

つまり、今回の主張を裏付ける統計そのものが疑わしいわけで、そう思うとせっかく書いたことの意味を見失って自己嫌悪に陥りかねないので、ここまでお読み頂いたあなたを置き去りにして、今度の休日どこに行こうかなどとヘラヘラ考えて、時おり唖然としたあなたの顔を想像してさらにヘラヘラしつつ、これを打ってます。
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コメント

あれ・・・

スティーブン・ブシェミが文章に唐突に現れたので、理解不能に陥りました。彼がゲイ役なんてのを演じるとどうなっちゃうのか、想像しただけで太田胃散を飲みたくなってきました。

  • 2005/11/04(金) 21:27:34 |
  • URL |
  • kossy #YaTS71PM
  • [ 編集]

kossyさま

ちょっと、コトバ足らずでした。

あけすけない言い方すれば、多くの女優は演技力よりも見た目の美しさが重要だと思われがちだ、ということです。
それに比べて、男優は必ずしも外見の美しさが求められるわけではなく、そんな男優の代表ってことで、ブシェミを引き合いに出しました。

  • 2005/11/05(土) 11:34:16 |
  • URL |
  • にら(管理人) #lcbXb0/Q
  • [ 編集]

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