ねこのひたい~絵日記室<ネタバレなしの映画評?>

 ~ネタバレなしでも、読めばガッカリ~

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「ディア・ウーマン」マスターズ・オブ・ホラー

ジョン・ランディスは、呪われている。

ランディス監督が呪われてる、というと、撮影中にビック・モローを含め3人が事故死した、スピルバーグ製作の『トワイライトゾーン』のことを思い出される方も多いかもしれませんが、事態はもっと複雑です。

ランディス監督の呪いは、ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが黒ずくめの2人組を演じてそこそこヒットした作品を、日本の配給会社が『ブルース・ブラザース』なんて題名にされてしまったことが原因のひとつであることは疑いの余地がありません。
デ・パーマ野郎とは違い当ブログの管理人は寛大な心の持ち主でありたいと願っているので、実際には「ズ」と濁る「ブルース」はすでに和製英語として定着していますし、そのことについてとやかく言うつもりはありません。しかし、「アザー」の複数形がニコール・キッドマン主演の『アザーズ』であるように、「ネイバー」の複数形がジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが出演した『ネイバーズ』であるように、「ブラザー」の複数形の発音は「ブラザーズ」なわけです。
そんな横暴が許されるのか、だったらオレたちだって「ブラザース」にしたかった、と「真心」も「スーパーマリオ」も憤慨してるかどうかわかりませんが、同じくランディス監督の『スリー・アミーゴーズ!』という原題を持つ作品までもが『サボテン・ブラザース』とやられています。しかも、『ブルース・ブラザース』はCIC(現UIP)で、『サボテン~』はワーナー(初ビデオ化したのはなぜかRCAコロンビア。これは『ロボコップ』『プラトーン』等オライオン製作の作品にはよくあったことですけど)と、配給元が違うにも関わらずです。
配給会社を超えてまで、ランディス監督は呪われているわけです。

と、弱々しく力説してみたわけですが、ここには「やっぱり、『ズ』って濁るより『ス』のほうが、ゴロがいいからじゃないの」という反論を許してしまう余地があります。もちろん、先ほど寛大な心の持ち主であると認定された当ブログの管理人は、そうした反論を受け入れる懐の深さも持ち合わせております。なので、『スリー・アミーゴーズ』を配給した会社が、現在「ワーナー・ブラザース」という表記で統一していることを、『サボテン・ブラザース』の表音ミスを隠蔽するためだなんて騒ぎ立てたりしません。
しかし、それらを完膚なきまでに打ちのめすネタも抜かりなくご用意しております。

某老舗映画雑誌の「外国映画紹介」には邦題とは別に原題の直訳が記載されていたのですが、ランディス監督の『スパイ・ライク・アス』の紹介記事では「わたしたちはスパイが好き」とやられていました。
それじゃあナニかい、「ライク・ア・バージン」は(こまわりくんの「ナウマンゾウが好きっ!」の発音で)「処女が好きっ!」なのかい、「サム・ライク・イット・ホット」は「お熱いのがお好きっ!」なのかい、と、執筆した輩をマリリン・モンローもしくはマドンナの姿に女装させて地下鉄の排気口の上に立たせてやりたくなる皆さんの気持ちはわかりますが、ここはひとつ、薬師丸ひろ子よろしく「セーラー服と機関銃」の最終回で長澤まさみちゃんがそんなシーンを披露してくれることを願っておくに留めましょう。
「ス」と「ズ」に関しては、配給会社は自分たちが配給する作品に対してそれほど愛情を持っていない、ということを思えば納得もできなくもないんですが、老舗映画雑誌までもがこのありさまだとするならば、映画雑誌執筆者や編集者、校正担当らをも巻き込むほどに、ランディス監督は複雑に呪われていると考えざるを得ないと納得頂けるはずです(ちなみに、この呪いを自覚したのか、「マスターズ・オブ・ホラー」が日本でソフト化されたのとほぼ同時期に、某老舗映画雑誌であるキネマ旬報は何十年間も続けていた「外国映画紹介」記事を「日本映画紹介」とともに打ち切ってしまいました。これにより、キネマ旬報が持っていた映画に関する資料としての側面は完全に消失したことになります)。

ここまでは猫姫さまには読み飛ばして頂くとして、そろそろ本題に入ります。

マスターと呼ばれるほどホラー作品を撮ってないランディス監督なのに、「マスターズ・オブ・ホラー」に召還されたのは、『狼男アメリカン』のせいでありましょう。
ランディス監督自身もそれを心得て、今シリーズに「獣人モノ」を提供したのでしょう、劇中でも「1981年のロンドンに、人狼が出た事件があった」なんてセリフを言わせてますし。
発想は「前は狼男だったから、今回は女・・・鹿女なんてどう?」辺りから始まったんじゃないでしょうか。
「その鹿女はとにかく脚で踏みつけて男を殺しまくる。うわー、こわー」とこの辺りまでは良かったものの、よく考えたら『狼男アメリカン』もホラーらしいホラーとはいえなかったわけで「鹿女が男を殺す理由?女心は複雑だから、ってのはダメ?ダメだよね。女だけど鹿だし。鹿女心だし。え?自然破壊への警鐘?殺戮された先住民の怨念?そういうの、ヤダなぁ」という辺りから雲行きが怪しくなり、ホラー同様、女性が目立つ作品もあまり撮ってないランディス監督なので「女が男を殺す理由なんか知らねーよ。知りたけりゃ鹿女に訊けよ。とにかく殺すの。理由はナシ。あ、インディアンの伝承、ってどうよ。とにかく殺す、昔からそういう存在と言い伝えられてる。それっぽくない?」ということで『ブルブラ』(*1)のキャリー・フィッシャー同様、よくわかんないけどやたら攻撃しまくる鹿女になっちゃったんじゃないでしょうか。
さらに「退治する方法?1時間枠でそこまで見せなきゃダメ?うーん、退治・・・できないんだよ、きっと。目的もなく、退治方法もない、鹿女。うっわー、こっわー」で、『ブルブラ』(*2)のキャリー・フィッシャーの恐怖を軽々と超越したことになったようです、ランディス監督の中では。

ところで、『ブルブラ』(*3)におけるキャリー・フィッシャーは、お薬でハイになってただけかもしれないので、あれが演技だったのか演技ではなかったのかよくわかりませんが、今作の鹿女役シンシア・モウラさんの演技は素晴らしい。
ケーブルテレビでなければ許されない脱ぎっぷりも素晴らしいのですが、「鹿女というものが実在したら、こんな表情で男を誘い、あんな表情で殺すんだろうな」と研究に研究を重ねたであろうあの演技は、コトバを一言も発しないにもかかわらず、ひと目でこれはヒトではないナニモノかであるとわからせてくれます。
あれで人間役を演じたらとんでもないダイコンでしかも頭がカラッポな女性に見えてしまうはずなのですが、そんな危険を鹿女役として披露することで見事に回避した演技力はアカデミー賞、いいえ、ノーベル賞モノです。

ノーベルでもジングルベルでもどうでもいいんですけど、それにしても、動物襲撃専門の刑事って、なに?という疑問にさいなまれつつ、さらに、またよくわからない記事を書いてしまったという自責の念にはさいなまれていませんが、猫姫さまに申し訳ない気持ちはいっぱいのままクイズです。
問1:動物専門の刑事ではなく、動物専門のお医者さんでもなく、動物専門の探偵が活躍する映画は?

 A.『ドクター・ドリトル』
 B.『エースにおまかせ』

正解はこちらのランキングサイトに。

問2:今作のタイトルは『DEER WOMAN』ですが、「DearWOMAN」という曲を歌ってるのは?

 A.SMAP
 B.スガシカオ

正解はこちらのランキングサイトに。


*1・・・ツウな人は『ブルース・ブラザース』をこのように略して呼ぶらしい。
*2・・・さらにツウな人は「ブルマ・ブラジャー」をこのように略して呼ぶらしい。
*3・・・もっとツウな人は『ブルース・ブラザース2000』を『新ブルブラ』と略したうえでフランス風に『ヌーヴェル・ブルブラ』に変換してから『ヌーブラ』と略すのかどうかは、知りません。


◆こんな記事を読んで頂いたのに、さらにお願いするのも申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、こちらのランキングに清き一票あるいはこちらに怒りの一票を◆
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コメント

はじめまして

TBありがとうございます。
『シュロック』『イノセント・ブラッド』と、実はホラー系作品が意外と少ないジョン・ランディス監督ですけど、自分は、なんかホラー&ファンタジー映画と縁が深いようなイメージを持ってます。
『狼男アメリカン』のイメージかも。
ジョン・ランディス監督にはコメディよりもホラー映画を撮って欲しいです。

  • 2006/11/15(水) 23:12:37 |
  • URL |
  • @KOBA #SFo5/nok
  • [ 編集]

読みました!

この映画で、なんでこんな長い記事かけるのかなぁ、、、と思いながら、読んでしまいましたyo!飛ばして良いのなら、最初に書いてください。
いやぁ、、、ホントは「ディア」に関して書きたかったのに、あたしが先に突っ込んでしまったから、無理矢理「ス」と「ズ」で書き上げたのかなぁ?とか思ってニヤリとしています。あはは、、、

  • 2006/11/17(金) 00:43:49 |
  • URL |
  • 猫姫少佐現品限り #-
  • [ 編集]

@KOBAさま

ユニバーサルホラーの予告編アンソロジー『カミングスーン』を撮ったくらいですから、ランディス監督はかなりのホラー好きなんでしょう。
残念なことに『ブルブラ』の監督というイメージが強すぎるんですよね、観客はもちろん、監督自身も。

  • 2006/11/20(月) 15:43:51 |
  • URL |
  • にら(管理人) #lcbXb0/Q
  • [ 編集]

猫姫さま

お疲れさまです。
ご愁傷さまです。
このシリーズに起用されてる監督さんたちは、個人的にいろいろ思うところのある人たちばかりなので、ついつい古い引き出しを広げて散らかしてしまい、申し訳ありません。
「ディア」ネタ、やっぱりやりたくなりますよね。しかも今作のウーマンも輝く黒髪だし。ありゃ絶対、資生堂の「椿」を使ってるな。

  • 2006/11/20(月) 15:52:55 |
  • URL |
  • にら(管理人) #lcbXb0/Q
  • [ 編集]

レイティング

ジョン・ランディスって、コメディの人だと思っていました。

今作も確かに怖くは無かったですけど、小ネタ満載で尚且つ適度なグロ映像も出てきてとってもお得な一本だったように思います。
それにしても、こんな肉片グチャグチャでポロリ満載の作品が、テレビ放送されるなんて・・・。
アメリカのレイティングはどうなっているんでしょうか。
ちょっと心配です。

ちょこっとTBさせていただきますねー♪

  • 2006/12/02(土) 23:19:54 |
  • URL |
  • アガサ #-
  • [ 編集]

うきゅきゅ笑い

にやー、と笑う姿がおかしくってたまりませんでした。
想像の中でちょっとセリフがありましたけど、セリフは全然なくても良かったですよね。

  • 2006/12/02(土) 23:42:12 |
  • URL |
  • とらねこ #.zrSBkLk
  • [ 編集]

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