『パニック・ルーム』と『フライト・プラン』を合わせたバッタモンみたいな邦題が、ちょっとアレですが、だからって、格安パッケージツアーみたいな『ルーム・プラン』って邦題にされるよりはマシです。
近所のレンタル店では、『フライトプラン』がどっさり置かれた横に、チョンと1本だけ置かれていた今作。まさしくバッタモンとしての扱いであります。
パッケージを手に取ると「ウェス・クレイヴン」の文字。
ああ、また『スクリーム』シリーズでそこそこ知れるようになった彼の名前を利用した『ドラキュリア』や『ウィッシュ・マスター』みたいに製作総指揮を買って出たのかとおもいきや、なんとクレイヴン自身が監督している作品なのでした。
それを『フライトプラン』のバッタモンみたいなタイトルにしやがって、たしかに、あちらはジョディ・フォスター主演というだけでも箔がつく超大作クラスの作品で、こちらは日本ではほとんど無名に近い役者ばかりで、しかも6週間という日本映画並みの撮影期間で撮りあげられた作品だけどね、と思いきや、収録された音声解説には実際にバッタモンの企画だったような発言もありました。
ちなみに原題は「RED EYE」。アメリカでは夜間飛行便を表すそうです。
クレイヴンの名前に動揺したせいで、パッケージであらすじの確認もせず借りてしまったため、いったいどんな映画なのか一切知らずに見始めたんですけど、ごめんなさい、ジョディ、これ、面白い。
『フライトプラン』が残り30分あたりまで引っ張っていたオチを、今作は開幕から30分、いえ20分くらいで観客にさらします。オチで勝負するミステリーではなく、手のうちを全てさらけ出して勝負するサスペンスなわけです。
今作のヒロイン、レイチェル・マクアダムスは、母方の祖母の葬儀から帰る飛行機で、キリアン・マーフィーと偶然隣り合わせになります。片や政府要人の暗殺組織の一員で、片や政府要人が常連客として泊まるホテルの受付係。もちろん偶然ではなく、マーフィーが仕組んだのです。レイチェルの父親を殺すと脅して、機内電話を使って要人の宿泊する部屋を変更しろと要求するマーフィー。
拒否すれば父親が殺される。父親を庇えば要人が殺される。
ありがちといえばありがちですが、だからこそ、堅実な演出と演技が要求されるわけです。
演出に関してはクレイヴンだしということで安心していられます。レイチェルもアメリカ人好みの可愛らしさと健気さで水準をクリアしています。では、悪役マーフィーはどうか。
極地の氷のように冷たく青白い瞳でレイチェルに擦り寄り罠にはめる辺り、ゾクゾクさせられてしまいました。今作がそれなりの宣伝費を掛けて公開されてたら『バットマン・ビギンズ』のスケアクロウ役は序章に過ぎなかったと、マーフィーの株も上がったはずなのにと悔やまれます。ま、ちょっと演技過剰ではありますが。
このところ悪役ばかりを演じている印象が強いブライアン・コックスが演ずるレイチェルの父親役も、それが3日間で撮影されたとは思えないくらい、かなり味のあるキャラで必見ですということで、クイズです。
問1:ウェス・クレイヴンが映画監督になる前の職業は?
A.精神分析医
B.学校の先生
正解は
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問2:クレイヴンの出世作である『エルム街の悪夢』。このシリーズでクレイヴン自身が監督したのは?
A.2作品
B.1作品
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