ねこのひたい~絵日記室<ネタバレなしの映画評?>

 ~ネタバレなしでも、読めばガッカリ~

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『交渉人~真下正義』

見たことがない人でもその名前くらいは聞いたことがある『踊る大捜査線』シリーズの<スピンオフ>映画ですが、今思えばなんであんなに日本中が大騒ぎしたのかわからない『オースティン・パワーズ』のマイク・マイヤーズ初主演作であり「サタデー・ナイト・ライブ」のコントを映画化した『ウェインズ・ワールド』と同じ視点で観ることができるかを試される”自称映画ファン”の踏み石的問題作、ではなく、パニック娯楽作品です。
パニックなのに娯楽ってのも変ですけど。
爆弾テロ、地下鉄パニック、劇場型犯罪、タイムリミット、ネゴシエーター、プロファイリングetc・・・ハリウッド映画のような要素をテンコ盛りにしてエンターテイメントをめざすのは、韓国映画やリュック・ベッソン製作の仏映画の成功例もあることですし、正しいことだと思います。
「ケータイ盗まれたら、盗難届じゃなくて、まず利用の一時停止するだろ」とかの現実的な指摘は、映画はフィクションなんだし、それにノンフィクションの現実にだって停止しない人がいないとも限らないんですから、設定としてのご都合主義は大目にみてあげましょう。だって、ジェット燃料はそのままではライターでは引火しないことに拘泥してたら、「ダイ・ハード2」のクライマックスがなんだか気まずいことになっちゃうじゃないですか。
とは言うものの、設定に対する描写が追い付いてなければ論外です。

「上司が『責任は俺が取る』って言ってくれてますから」

真下が口にするこのセリフ。つまり、主人公は無責任な態度でこの事件に対処していることに他ならず、この映画のフィクションとしてのサスペンスが信じられなくなりました。
そうすると、シネスコを採用していながら、スタンダードサイズのテレビと同じ感覚でぐるぐる回るカメラワークが採用されていることや、主人公が金田龍之介演ずる<線引き屋>と心通わせるシーンが、1作目の劇場版『踊る大捜査線』での織田・柳葉・いかりやのコーヒーブレイクシーンにみられる反動的な醜悪さにそっくりなことさえも、鼻につきはじめます。
しかも、いろいろなところで下される決断が「勘」によるものです。
「勘」というのは、過去の経験の蓄積から生まれるものですから、あらゆる決断は全て勘みたいなもんなんですけど、その勘を裏付けるための確証集めが必要なんじゃないですか。過去の映画で刑事さんたちが確証を集めるためにどれほど東奔西走して、確証集めに失敗したときにどれほど苦汁を飲まされ責任を取らされたか。
「勘」による決断が結果的に正しかったという御都合主義は、たかが映画ではよくあることなのでそれが悪いとは思いません。しかし、必死の選択が迫られたときに成立するのが御都合主義だとするなら、その決断が必死さを欠いた無責任な状態で下されても、それは単なる手抜きで、観客に対する甘えです。

どうせなら見ないより見てもらったほうがいいと思ってるので劇場公開中の映画は叩かないことを原則にしてますけど、今作はかなり動員も多いみたいですから、その枷を外させて頂きました。


それにしても、真下の上司、室井の「責任は俺が取る」って発言、よく考えたら意味がわかりません。
1.本気で責任を取るつもりだった。
事件の内容から考えて甚大な被害が出る可能性もあるわけですから、そうなったら辞職したって切腹したって責任を取ることにはなりません。
2.部下を励ますために言った。
3.無事に解決すると信じていた。
4.ちょっと言ってみたかった。
はじめから責任なんて取る気はなかったってことでしょうか。ひどい上司です。
5.真下の幻覚、幻聴、妄想だった。
6.真下が聞き間違えていた。
7.よく聞いたら「セキセイインコは俺が取る」だった。
なんだか自分でも書いててバカバカしくなってきました。
8.「『踊る』シリーズに関係なくドカンと派手に好き勝手やってください、次の作品でなんとかしますから」という君塚良一氏の発言だった。
もっとバカバカしくなったのでこの辺でやめておきます。


◆この記事にガッカリした方はランキングに清き一票あるいはこちらに怒りの一票を◆
スポンサーサイト

コメント

こんにちは^^
確かに、「勘」発言が多すぎでしたね^^;
それがときどき面白くもありましたが、
スカッとしない気持ちにもなりました。
また遊びに来ま~す。

  • 2006/03/20(月) 12:52:22 |
  • URL |
  • ぽっぷ #E6kBkVdo
  • [ 編集]

ぽっぷさま

今作がスカッとしなかったお詫びに、すみれさんが頭を丸めて旅に出たってのはホントですか?

  • 2006/03/23(木) 09:49:29 |
  • URL |
  • にら(勘理人) #lcbXb0/Q
  • [ 編集]

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

『交渉人真下正義』 ☆☆☆☆☆

初日レイトで見ました!出た出た!!満点!!!今年劇場で見た30本(←少なっ!)の中で満点は2本目。去年135本中5~6本しか☆5つはないからこの評価はかなり高い!私銀幕デビュー映画なので若干ひいきめの☆かもしれないけど、かなりおもろい!意外にもよく出来た作

  • 2005/05/21(土) 11:12:58 |
  • 映画&氣志團

交渉人 真下正義

第87回★★★★(劇場)(核心に触れる文面あるので、ご注意あそばせ) 犯人は自己顕示欲が強い。 これはつまり「犯行」=「自己表現」である場合が多い。 従来「犯罪」というものは「見つからない」「バレない」というのが基本だ。しかし自己顕示

  • 2005/05/21(土) 17:43:21 |
  • まつさんの映画伝道師

交渉人真下正義

いいんじゃないでしょうか。あまり考えずに楽しみました。 テレビ番組もよく知らない

  • 2005/05/25(水) 16:20:20 |
  • cococo

『交渉人 真下正義』

 事件は、「台場連続殺人事件」の1時間後から始まった!?■監督 本広克行■原案 君塚良一■脚本 十川誠志■キャスト ユースケ・サンタマリア、寺島進、小泉孝太郎、高杉亘、松重豊、甲本雅裕、遠山俊也、柳葉敏郎、水野美紀、國村隼、石井正則、西村雅彦、金田龍之介

  • 2005/05/31(火) 12:16:48 |
  • 京の昼寝~♪

『交渉人 真下正義』★★★☆☆

『交渉人 真下正義』(2005)を観た。惜しい。実に惜しい。ストーリーのツメが甘い気がする。途中までは、交渉人と犯人の心理的かけひきにハラハラドキドキした。けれど、最

  • 2006/03/20(月) 12:54:13 |
  • ポップコーンを食べながら
トラックバックURLはこちら
http://nekohita.blog6.fc2.com/tb.php/32-bff0bd15
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。