ねこのひたい~絵日記室<ネタバレなしの映画評?>

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新旧『バットマン』

『バットマン・ビギンズ』をほめるときに、必ずと言っていいほど引き合いに出されたあげく、返す刀で貶されるのが旧作バットマンの『フォーエバー』と『&ロビン』です。
『バットマン』『リターンズ』については、ティム・バートンという一流ブランドに目がくらんだとは思いたくありませんけど、<概ね可>の評価。中にはその2作さえも叩く人がいますが、その場合もやはり、返す刀でジョエル・シューマッカー版をさらにズタズタに切り裂くという華麗にして残酷な調理法が用いられてます。

確かにシューマッカー版は手放しで傑作とは言えないものの、それなりに楽しませてもらった者としては、ここはひとつ一宿一飯の渡世の義理を果たさせて頂きます。


まず気になるのが、『ビギンズ』はシリアスだからヨイけど、シューマッカー版はコミカルでダメ、って評価。
どうも世の中には、喜劇よりも悲劇のほうが上、っていうヒエラルキーがあるようです。
シリアス礼賛は、「泣きました」「感動しました」「わたしも見習おうと思います」が結論に来る読書感想文的な発想ですね。読書感想文に、喜劇ってふさわしくないですもんね。
「邦画って暗いから、あんまり好きじゃない」と一度でも思ったことがある人は、「『ビギンズ』はシリアスだからヨイ」って書いちゃダメですよ。もし書いてたら、急いでどちらか消してくださいね。

『ビギンズ』は、主人公の内面描写がすばらしい、って評価。
確かにそうですけど、でも、シューマッカー版では悪役たちの内面描写をもしてるじゃないですか。まぁ、薄いステレオタイプな描写ではありますが、『ビギンズ』は悪役にそのステレオタイプな内面すら与えていません。
ファンタジーを排したリアルな『ビギンズ』って認識がされてるみたいですが、悪役たちが内面を欠いたいわば「絶対悪」って設定は、しっかりファンタジーですよ。
しかも、善悪について主人公をさんざん苦悩させてくどいほど描写された内面なのに、「人は中身ではない。行動だ」とあっさり否定。さんざん嫌がってたくせに、最終的には「影の同盟」と同列になっちゃいましたね。
ちなみに「殺さないけど、助けもしない」って、日本の法律的には「未必の故意による殺人」ですから。『ミリオンダラー・ベイビー』の倫理面を問うなら、その選択に迷いがない『ビギンズ』のほうが糾弾されるべき罪深さだと思います。


あと、これは好みの問題かもしれませんが、『ビギンズ』のヒロインは、かなり弱い。
バートン版のキム・ベイシンガー、ミシェル・ファイファー、シューマッカー版のニコール・キッドマン、ユマ・サーマン、とその名前を並べただけでゴージャスですが、『ビギンズ』で検事を演ずるケイティー・ホームズはお世辞にもゴージャスとは言えません。
また、旧作のヒロインたちの演じる役柄は、新聞記者、服飾デザイナー、心理学者、植物学者とさまざまですが、共通していえることは、みなさんセクシーである、ということです。セクシーとは、つまりクラクラしそうなキスなんですけど、ケイティー嬢のキスシーンはどことなくとってつけたような感じで、うまくいってるとは言えません。セクシーというより青臭い。え?小便臭いは言い過ぎです。トム・クルーズに失礼です。
キスシーンがうまく成立してないのは、致命的です。なぜなら、バットマンのマスクが口元を隠してないのは、女性とキスするためにほかならないからです。
だから、「キスを殺しの道具に使うヒロイン」を登場させたシューマッカー版『&ロビン』は、その本質を見抜いて、さらにそこを突き抜けちゃってます。旧シリーズが『&ロビン』で打ち切られたのは、興行的、批評的不振という外的要因ではなく、キスを禁じられたバットマンに存在意義がなくなったからです。(実は、『リターンズ』でもキャットウーマンがキッスで殺してるわけですが、その相手がゴッサム市長なので、シリーズを打ち切るほどの突き抜け方はしていません。)



てなわけで、とりあえず義理は果たせたかしら。


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コメント

そうですよね。ケイティーは確かにセクシー対象としては青いです。
でもじゃましなくっていいなともおもったんですけど・・
その他のそうそうたる人のなかで一人くらい忘れるって感じで・・

  • 2005/07/14(木) 14:19:09 |
  • URL |
  • foo #-
  • [ 編集]

fooさんへ

コメントありがとうございます。

詳しくは知らないのですけど、コミック版のほうではバットマンが同性愛に悩んでいたことがあったそうです。
過去の映画版では、そのニオイ消してましたが、『ビギンズ』はそこも踏まえてのケイティー嬢だったのかもしれないですね。

  • 2005/07/14(木) 18:02:49 |
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  • にら #-
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