ねこのひたい~絵日記室<ネタバレなしの映画評?>

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『リンダ・リンダ・リンダ』

実は、「試写会」に応募したのは、今作だったわけです。

もちろん、ものの見事に外れちゃったんわけなんですけど、近所の映画館のポイントがたまってるから無料で鑑賞できると家族を説得して、系列の別映画館まではるばる往復約50キロをかっ飛ばして、レイトショーではありましたが公開初日に馳せ参ずることができました。

05082101.gif


結論から言えば、そりゃもうハッピーなわけですが、その翌日、家族がちょいと事故を起こしまして、それどころじゃ無くなっちゃったのでした。

ホントはブログに私的なことを記載するのは不本意なんですけど、ここ1ヶ月、あまりにいろいろあったので、それを言い訳にしてついつい記述を端折ってしまうことをお詫びしつつ、今作もその例に漏れないのであります。


それはさておき、ってそれでいいのかと思う向きもあるかもしれませんけど、これ書いてる本人がさておいてるからいいんです。試写会に応募したくらいですから、そりゃもう期待に胸とかいろんなところが膨らんでいたわけです。ちなみに、膨らんだ胸はDだったかもしれませんが、いまだに日本では男性の胸のカップを測る習慣に乏しいので客観的な値ではないことだけ申し沿えておきます。

またしても「実は」なんですが、ぺ・ドゥナ嬢をスクリーンで見たのは、初めてです。
さらに「実は」なんですが、山下監督の作品をスクリーンで見たのすら、初めてです。
つまり、それだけで判断停止状態なんです。
なので、「アバタもエクボ」な絶賛をしますので、今作を気に入らない方や未見の方は、これ以降の記述はお読みにならないほうがいいでしょう。

ストーリーは、公式ホームページあたりで確認して頂くとして、普通の映画だったら、バンドが分裂するってのは「クライマックス直前の試練」として据えちゃうと思うんですけど、今作は、分裂してから本番に至る3日間のみに収斂されています。
タイムリミットを設定してるのに、それに対する彼女たちの焦燥感は強調されません。確かに熱心にバンドの練習はしているようなんですけど、それはあくまで口実で、夜の校舎に忍び込むことや、夜の屋上でお菓子とジュースを囲んでダベることや、スーパーへ買出しに行き麻婆ナスをつくって食べることのほうが、彼女たちが集合する本当の目的であるかのようです。
それに、なにしろ彼女たち、スキあらばどこでも寝ちゃうし。

これは、バンド映画のフリしてますが、じつは山下監督のモチーフである家出娘の映画なんです。
香椎由宇ちゃん、前田亜季ちゃん、関根史織ちゃんらの家庭の描写が1回ずつ出てきますが、そこでの彼女たちは、いかにも居心地が悪そうです。そこで、バンドの練習と称して、家出をしたわけです。
ペ・ドゥナ嬢演ずるソンさんは韓国からの留学生ということになってますが、『子猫をお願い』のラストで飛行機に乗って故郷を後にしたテヒじゃないかと疑ってます。だって25歳で女子高生だなんて、怪しすぎます。
それに、彼女だけ帰る家の描写がありません。放課後、小学生と一緒にいずことも知れない屋外でマンガを読んでるとことか、香椎ちゃんと2人きりでチグハグお喋りする通学に使ってるバス停までは出てくるのですが、どこで寝泊りしているのかは最後までわかりません。やはり、家出娘です。しかも、海外からお越しのインターナショナル家出娘です。

脇のキャラはあいかわらず充実した脱力ぶりです。カラオケ店の従業員とスタジオQの従業員の山下作品常連W山本さんはもちろんですが、屋上の中島センパイがかなり良いです。
最も脱力したキャラでありながら、ブルージーなギターの弾きっぷりと、いざって時には頼まなくても助けてくれる懐の深い姐御っぷり。やられました。今すぐ演じた山崎優子ちゃんのバンドme-ismのCDを手に入れ、緑色のジャージを買って、スカートの下に履こうと思います。

ところで、前述したバス停で初めて2人きりになったときは会話すらチグハグだった仲が確実に変化したことを示す、本番前夜のトイレのシーンが出てきます。
眠気を覚まそうとトイレの手洗い場で顔を洗う香椎ちゃんと、そこへやってきたドゥナ嬢。香椎ちゃんがボーカルを引き受けてくれたことのお礼を日本語で言うと、ドゥナ嬢も誘ってくれたことの感謝を韓国語で返します。
そこでは、それぞれの母国語で、しかも香椎ちゃんは韓国語を知らないはずなのに、それが理解できるという映画の魔法というかイタズラを使ってるんです。
山下監督、またまた一皮剥けちゃった感じがします。

それにしても、最後の体育館でのライブシーン、あんなに鳥肌立つとは思いませんでした。
そこには、やはり、スローテンポなイントロから、ハイテンポで疾走するサビに移るときのあの筆舌に尽くしがたい絶妙の間をもつ「リンダ・リンダ・リンダ」という曲のパワーもあります。それはわかっていたはずなのに、サビとともに観衆のうおーという声を聞いて、想像以上に鳥肌立ってしまいました。
なぜなら、そのときのカメラアングルが、ボーカルのドゥナ嬢の斜め背後から肩をなめて、体育館に集まった観衆を捉えていたからです。
それまで、人物を捉えるのは真横や正面ばかりで、また、向き合う人物は禁欲的といってもいいほど必ずどんでんで切り返しだったのが、ライブシーンでは同時に一つの画面に収まっているのです。それを見て、じわじわと人々が体育館に集まり始めるあたりからゾクゾクしていた皮膚が、ついに鳥肌立ってしまったのでした。おそらく全身の毛という毛が立ってたと思います。キューと全身の皮膚が縮んで全身が半分くらいの大きさになってたと思います。

ちなみに、学園祭を経験した方ならおわかりいただけると思いますが、バンド演奏に限らず素人の催し物になんて、それがいくら無料でも観衆が集まりっこないんですが、そこはある仕掛けで見事に乗り切ってます。
その仕掛けが何なのかは、ぜひご自分の目でお確かめください。そして、一緒に「終わらない歌」を歌おう。

ところで、特殊メイクの原口智生さんにわざわざ作らせたあの右手、B・B・キング師匠の右手だと思ったんですが、ホントは誰の右手だか知りませんか?


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コメント

観ましたね

観ましたね
それにしても萌ちゃん、あれだけの声の持ち主なら、ギターやらずにヴォーカルやればよかったのに

書いてる通り、猛練習する姿より、抜いてばっかの息抜きシーンの方が楽しさにあふれていましたね。
ブックマークに登録してしまいました。時々遊びにきます

しんさま

原作には、萌ちゃんは、あの声に劣等感持ってて人前で歌えない娘って設定になってるらしいですよ。
映画でも、恵ちゃんたちも言ってました。
「あの声で、ブルーハーツはあり得ない」と(笑)。

とはいいつつ、最後には勇気を振り絞って歌ってみせるんですけど、だったら、バンド分解した時点で勇気を振り絞れよとお思いの方もいるかもしれません。
しかし、原因が萌ちゃんの骨折だったわけで、「それじゃ、ボーカル代理はわたしが」ってしゃしゃり出たら、ボーカル凛子ちゃんの怒りの炎にさらに油を注ぐことになるので、それを避けるべく一歩引いたのでしょう。



それはさておき、望ちゃんの作った味の濃い麻婆ナスを、一口だけでも食べてみたいもんです。
もちろん、あの面々と一緒に。
もちろん、あの面々と入浴後に。

  • 2005/08/26(金) 12:01:35 |
  • URL |
  • にら #-
  • [ 編集]

コメントありがとうございます。
映画って現実的に言うと「配給」だな。と思うのです。「リンダリンダリンダ」と「スウィングガールズ」はひかくされがちだけれど知名度ではかなり開きがある。
映画の出来どうこうではなくて、製作における「バック」=「後ろ盾」ってのはやはり大きいなと公開からしばらく経った今、実感しております。
シネカノンの李さんが言ってましたが「テレビ局企画」「ベストセラー」「有名俳優」の3本立てでしか全国拡大公開できない現実。
そこが残念で仕方がないです。映画の内容に関係ないのですが・・・。

  • 2005/08/27(土) 22:10:15 |
  • URL |
  • まつさん #-
  • [ 編集]

今さらですけど。。。

田花子役の優子です
たかっちゃん 気に入ってくれて嬉しいです♪思わずコメントーー!
良かったらうちのHPにも遊びに来てください!
でわ
突然すんませんでした!

  • 2005/09/26(月) 07:20:04 |
  • URL |
  • 優子 #KjdL05B.
  • [ 編集]

山崎優子さま

いやまさか、ゴックンゆうこさまこと山崎優子さまご本人さまが、こんな場末のブログにお越し頂けるとは思ってもみなかったので、慌てふためくあまり、緑色のジャージを頭からかぶっているのにも気付かないありさまで、なにさまのつもりなのかよく判りませんが少なくともヨンさまではありません。

『リンダ×3』をご覧になられたみなさまもぜひ、優子さまme-ismのホームページをごらんください。

http://www.inglabel.com/me-ism.html

てなわけで、お彼岸も過ぎたのにサマサマと連呼してしまいましたが、コメントありがとうさまでした。

  • 2005/09/26(月) 13:10:25 |
  • URL |
  • にら(管理人) #lcbXb0/Q
  • [ 編集]

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