ねこのひたい~絵日記室<ネタバレなしの映画評?>

 ~ネタバレなしでも、読めばガッカリ~

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【映画館】

読み:えいが-かん

類語:劇場、シアター、[俗]コヤ

用例:「ネタバレ─」「─で売られている飲み物はとても高いです」


まず、映画を見るということが、かなりの困難を伴う行為だということを知っておかねばなりません。
映画に比べたら、ディズニーランドへ行くことなどはるかに簡単な行為です。
映画を見るには、その映画が上映されているのか、それがどの映画館なのか知っておく必要があります。一方、ディズニーランドはほとんど毎日営業してますし、ディズニーランドはひとつだけなので、どのディズニーランドなのかと迷うこともありません。
もちろん浦安が東京だと思ってるような地理に弱い人や、西から昇ったお日様が東へ沈むと思ってる方向音痴な人もいるでしょう。そんな人でも、ディズニーランドだったら、直行シャトルバスに乗れば着けます。しかし、映画のほうはといえば、銀座シネパトス行きのシャトルバスなんてありません。しかも、「ぴあ」を片手にその場所へ行ってみると、そこには建物すらありません。だって交差点なんですから。いくら地図を読むのが得意な人でも、ひっきりなしに自動車が通る交差点の地下道になぜか存在する商店街の一角に銀座シネパトスを発見するには、透視能力でもなければムリです。そもそも、そんな能力があったら、映画なんて見ずに、近所にある公園のベンチにでも座って道行く女性を眺めてます。

さて、「なにを」と「どこで」をクリアしたからといって安心してはいけません。映画館に行くための「なぜ」が欠けているからです。
映画を見ることは金銭的負担を強いられ、しかもそれに見合った満足を得られないかもしれないという精神的負担も伴います。そこでそうした負担を軽減するため、映画鑑賞をあくまで副次的要因にする理由が必要なのです。

そうした理由のひとつに「デートのため」というがあります。
よく「映画みたいな恋をして」なんてことを言いますが、この言葉の原典を調べると、昭和初期のある俳句に突き当たります。

 幽霊の 映画見たいな 恋をして

当時はまだ、男女が自由に連れ立って歩ける時代ではありませんでした。現在でいうホラー映画を見に行くために、とりあえず彼氏を作らねばという、当時のモガ、つまりモダンガールでありながらも奥ゆかしさを秘めた乙女ゴコロの持ち主でもあることを表現した句らしいです。それが時代を経るうちに、五・七・五の最初の五が消えてしまい、「見たいな」が「みたいな」に変化し、いつしか「映画の物語のような素敵な恋がしたい」という意味に使われるようになったわけです。
その真偽はさておき、映画を見るにはそれらしい理由を作ることが必要であり、交際相手とのデートはその理由のひとつである、という認識がその頃からすでにあったことがわかります。

「映画館に行くのはデートのため」という理由は、お互いを見詰め合うのも恥ずかしいという初々しいカップルが同じ時間を共有できるという点でも有効だし、少なくとものその間は無理に会話をつながなくてもいいという点で倦怠カップルも有効と適用範囲も広く、一見すると非の打ちどころのないものに思われます。しかしながら、デートには相手が必要です。相手を見つける前に、見たい映画の公開が終了してしまうかもしれません。
実は、前述の句について調べてゆくと、同じ頃、川柳も作られていたことがわかりました。

 幽霊の 映画見たいな 行為をして

ここでいう行為とは、男性(または女性)が映画館の暗闇に乗じて隣に座った見知らぬ女性(または男性)に行う、つまり痴漢行為のことです。
デート相手が見つからない人への救済処置として「映画館に行くのは痴漢行為をするため」という理由は生まれたわけです。なにしろ相手は映画館の中にいるんです。むしろ相手もそれを待ってるんじゃないか、だったらオレ(またはわたし)が映画館に行かなくてどうする。
ある統計によれば、かつて映画に行く目的を調査したところ「痴漢」は「デート」とほぼ同数だったらしいです。しかしながら、そもそも犯罪行為なので、いくら統計のためとはいえそれをおおっぴらに表明するヤツがいるのかと考えると、統計そのものが疑わしい。あなたは見たことあります?映画館でチケット買うときに「痴漢1枚」って言う人。
なので、実際には「デート」を大きく上回っていたのではないかと思ってます。つまり、実行するのはほんの一握りではあるものの、「デート目的」のカップル以外は全員「痴漢が目的」だったと思っていただければほぼ間違いありません。
とはいえ、シネコンの隆盛により、上映ごとの入替制度や指定席制度の導入に拠るところが多いせいで、最近この理由はすたれ気味らしいです。

「痴漢」に代わって最近多くなってきたのが「ブログのため」という理由です。
どちらもおおっぴらな他言が憚られる恥ずかしい理由ではありますが、とりあえず「映画館に行くのはブログに記事を書くため」のほうは、現在施行されている法で裁かれることがないという意味で犯罪行為ではありませんし。

デートも、痴漢も、ブログも無理という方がいらっしゃるかもしれません。
それらの理由はあくまで理由だけであって、実行する義務はないのです。
家を出る前に「今日は映画館へデートに行くから」と家族に告げるだけでいいんです。もしかしたら「デート代の足しに」とお小遣いが貰えるかもしれません。映画館に辿り付き、ぞろぞろ入場するカップルを見てたじろいだら「痴漢するぞ」と心に誓って勇気を振り絞ってください。しかしながら、その決意が顔に出てはマズイのでチケット購入の際には「ブログを書いてる大人1枚」と受付で言ってみるだけでいいんです。

もしあなたが、家族にウソをつくのは忍びないし、痴漢の決意が顔以外の部分にも出たら恥ずかしいし、受付にブログのアドレスではなくブログの意味そのものの説明を求められたら困る、という近年稀にみるバカ正直者だったら、こんな理由はいかがでしょう。

 「ヒマだから」

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コメント

ネタバレ・・・

毎度どうも!
用例にネタバレ映画館があるとは知らなかったです(笑)
いまでもそうかもしれませんけど、成人向け専門映画館にはゲイが多いってのは本当なのでしょうか?
初めてポルノ映画を一人で観に行ったときは怖かったです・・・

  • 2005/10/22(土) 20:45:59 |
  • URL |
  • kossy #YaTS71PM
  • [ 編集]

>「ヒマだから」
…おあとがよろしいようで。
“いよっ!タイガー”ってな終わっちゃった某クドカンの番組的かけ声でもかけたくなった位です☆いっそ、高座で痴漢と観客の独り芝居をするにらさんを見てしまいたいような見たくないような。
痴漢… 多いですねー。
太古の昔(拝借しました)にオールナイトの映画館で隣りに座った男の人に手を握られたのであらあらと思い強く握り返したところ… 逃げられました。
後日同じ経験を電車の中で経験したのでこれまた強く握り返したところ… 逃げられました。あらいやだ。

  • 2005/10/24(月) 16:05:02 |
  • URL |
  • たみお #-
  • [ 編集]

kossyさま

こちらこそ毎度です。

一般の映画館だと暗くて男女も区別が付きにくいんですよね。その点、ピン専映画館は男性ばかりですから。

ピン専じゃないんですけど、当地に「●屋橋劇場」という昔でいう三番館がありまして、そこへある猛者が挑戦したところ、男性に擦り寄られるわ握られるわだったそうです。

  • 2005/10/25(火) 11:41:50 |
  • URL |
  • にら(管理人) #lcbXb0/Q
  • [ 編集]

たみおさま

やっと見つけた!

アノ手の平の感触とアノ握力が忘れられぬまま月日は流れ、まさかこんなところで再会できるとは夢にも思いませんでした。
アノ日アノ時アノ場所で、と、かつて小田和正が歌っていたアノ行為に一度ならず2度までも挑んだ挙句、2度とも見事に握りつぶされたアノ右手の骨も、今ではすっかりよくなりました。現在は左手の骨折を治療しながら、過剰防衛による傷害罪の時効が何年か調べているところです。

  • 2005/10/25(火) 14:18:27 |
  • URL |
  • にら(管理人) #lcbXb0/Q
  • [ 編集]

こっちゃんも『用例』で笑っちゃった

kossyさんがこんなとこでハマってる(笑)
なるほど、映画館という言葉の重みを
ヒシヒシと肌で感じとれるような解説です。
これからは心して足を運ばねばなりませんな(-_-;

・・・え?「ひまだから」だけでOKなのですか?

  • 2005/10/26(水) 09:28:28 |
  • URL |
  • こっちゃん #TyqeI/Mo
  • [ 編集]

こっちゃんさま

「ヒマだから」は頻用すると、本当にヒマな人か、ただの映画好きな人だと気付かれ、社会生活上支障をきたす可能性があるので、ときには「ヒマじゃないけど」と言ってみる必要があります。
たったそれだけで、忙しいのに時間をやりくりしている切れ者なイメージになりますが、これも頻用すると、何がそんなに忙しいのかという疑問を相手に抱かせることになるので注意が必要です。

てなわけで、コメントありがとうございました。

  • 2005/10/26(水) 22:56:06 |
  • URL |
  • にら(管理人) #lcbXb0/Q
  • [ 編集]

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